【アインシュタインより愛をこめて【全体的感想レビュー】
それはひと夏の思い出。
“訳アリ"な主人公と、彼を取り巻く美少女たちが織り成すサイエンスラブストーリー。
『アインシュタインより愛をこめて』はGLOVELYから発売されているエロゲです。
この作品は、いわゆるエロゲとしては異色の作品であり、その点で"エロ"を期待した方々にとって少々期待外れな作品となっているのかもしれません。
以下、重大なネタバレを含みます
あらすじ
主人公愛内周太は、
主要キャラクター
愛内周太
本作の主人公。いわゆる重度の高二病であり、周りを見下して生きている。学年トップ(であった)ほど頭脳明晰であるものの人付き合いが得意でない。ここまで聞くと典型的なアスペ的な主人公のようだが、彼の過去を知ると、そのようになってしまった理由も分かり、同情せざるを得ない。
有村ロミ

メインヒロイン。学年首位を独走していた主人公に突如現れたライバル。主人公と同様、頭脳明晰でありながら、人付き合いも(得意ではないものの)そつなくこなす。圧倒的正妻ポジ。色々と波乱が多いこの作品の中で唯一と言っていい精神的支柱。自分なら全ルートの中盤でロミに泣きついてると思う。
坂下唯々菜

美少女。とにかくカワ(・∀・)イイ!!。見た目からも分かる通り、ヒロイン適正は非常に高い。しかも、この見た目にして、大のラーメン好きというギャップ萌え!!
しかし、それ以外は全く"普通"である。が、だからこそプレイヤーにとって馴染みやすい。作中においても、ほかのどのヒロインと一緒にいるときよりも主人公が自然体でいる印象がある。
物語中でも弄られるが、彼女は本当に究極的に"普通"である。ゲームをプレイしている側としてもふとした瞬間にはその存在を忘れてしまっているほど。
しかし、この"普通"という特性(?)こそ"彼女"のアイデンティティそのものであり、そこには涙なしでは語れない悲しい過去がある。個人的に、本作の中で一番引き込まれたのは坂下唯々菜ルートだ。
新田忍

主人公の住む家の下の洋食屋のオーナーをしている現役JD(休学中)。
いわゆる、ぽわぽわ系ふんわりお姉さんであり、頭脳明晰な主人公との掛け合いとても面白く、また相性もいい。画面の外ながら一緒にいるだけで癒され、すべてを包み込むような母性を感じる。しかし、時折垣間見える、"まだ大人になれない少女"の姿が愛おしく、守ってあげたくなる。
幸せな雰囲気から一転、衝撃的な展開に落とされる感情の落差でプレイ中失神しそうだった。
西野佳純

食べるのが大好きなボクシング女子。ギャルみが強く、一見、我が強い怖い娘と思いがちだが、序盤からして良い娘を隠しきれていない。そもそも、ギャルが全員怖いというのも、もしかしたら偏見なのかもしれないと思い直させてくれた。ほかのルートと比べると比較的学園モノのエロゲらしいストーリーだと思う。
しかし、幸せなラブコメで終わるかと思えたこのルートも、最終的にはとんでもないラストを迎える。
人生のままならなさ、不条理、やり切れなさが心にひしひしと感じられて、個人的にはとても好きなエンドだった。
『アインシュタインより愛をこめて』の魅力
エロ描写はいい意味でも悪い意味でもテンプレ通りで、正直エロを目的に買うものではないと思います。